もふもふ不動産のもふです。実は僕は、10年以上も前から特定の人物にネットで誹謗中傷を書かれ続けていました。どこの誰だかわからない人が、事実無根のことをずっと書いている。当時の僕はただのサラリーマンで、投資もネットでの情報発信もしていませんでした。「ただの一般人の僕がなぜ?」——最初に見つけたときは、心臓が止まる思いでした。
いろいろありましたが相手を特定することができ、2020年5月に「事実無根であること」「二度と書き込まないこと」などを条件に和解できました。
正直、この問題は自分にとってかなり苦しい体験で、公にしたくない思いもありました。でも、誹謗中傷に悩んでいる方の役に立てばと思い、まとめることにしました。
誹謗中傷を発見した時の状況

昔すぎて正確には覚えていませんが、たぶん2010年くらいのことです。何かのきっかけで検索していたところ、自分への誹謗中傷を見つけてしまいました。「これはなんだ…?」——まったくいわれのない、事実に反する書き込みでした。
有名人が誹謗中傷に遭うならわかります。でも、ただのサラリーマンの僕がなぜこんなことを書かれるのか。相手は誰なのか。すごく悩みましたが、まったく心当たりはありません。見つけた時点で書き込みから数年が経過しており、どうすることもできず、そのまま放置していました。
数年後にふと思い出して検索する
何年か経ったある日、「あの誹謗中傷はどうなっているのだろうか」とふと思い、再度検索してみました。すると、書き込みはさらに増えていて、内容もエスカレートしていました。書き込みの内容から、相手は僕を知っている人であることが明白で、投稿の傾向から一人で書いていることも予想がつきました。その人をAとしましょう。
Aの書き込みで実害があるかといえば、普通にサラリーマンをしている分には何もありません。でも、得体の知れない誰かに何年も書き込み続けられているという事実そのものが恐怖でした。「放置しても収まらない。実害はないけど恐ろしい。でも、相手をどうやって特定すればいいのだろう?」——そういう心境でした。
気になってたまに調べてみて、書き込みが増えていると落ち込む
書き込まれる頻度は数ヶ月に1回あるかないか。たまに思い出して検索し、増えているのを見て落ち込む——そんな状態が続きました。この不安から逃れるために相手を特定する方法を調べたところ、重要な事実がわかりました。
書き込みのログの保存期間は、3ヶ月くらいしかない。つまり半年前の書き込みを見つけても、ログがないので相手の特定はほぼ不可能なのです。ごくまれにしか書き込まれない誹謗中傷をタイムリーに見つけるのは至難の業です。答えは出ないまま、SNSから個人情報を消して友達のみの限定公開にし、居場所がバレないよう注意することしかできませんでした。
「特定されて会いに来られて、もしAに刺されたりしたら…」というリスクも頭をよぎりました(実際に刺されて亡くなられた方もいます。hagex事件として有名な福岡IT講師殺害事件)。
ブログやYouTubeで情報発信をするようになる

その後、自分で稼げる力を作りたいと2014年から不動産投資を開始し、2017年からブログで情報発信を始めました。表に出れば誹謗中傷の相手に見つかる可能性があり、怖さもありました。でも情報発信を続けるうえで避けては通れない問題ですし、Aに見つからなくても別の誰かから誹謗中傷を受ける可能性はあります。覚悟を決めて、発信を続けました。
YouTubeやっていることがその相手に見つかる
2018年7月末にYouTubeを開始し、おかげさまで多くの方に見ていただけるようになりました。そして人気になった結果——10年以上僕を誹謗中傷してきたAに、見つかってしまったのです。僕がYouTubeで人気なのが気に食わなかったのか、誹謗中傷の内容はさらに過激になり、頻度も圧倒的に増えました。
※実はYouTubeを始めてから、誹謗中傷してくる人がもう一人現れました(仮にBとします)。Bの書き込みを見つけて、Aが僕を特定したようです。この記事では詳しく触れませんが、BはAよりさらに過激な誹謗中傷を繰り返し、僕への誹謗中傷でBは警察に逮捕されています。
ついに新しい書き込みを見つける

それまでは半年に一度くらいの書き込みで、見つけた時にはログの保存期間を過ぎており、特定のしようがありませんでした。しかしBの騒動をきっかけにAの書き込み頻度が増え、書き込む場所も予想がつくようになっていました。そしていよいよその日が来ます。2019年12月末、Aが誹謗中傷をした直後の書き込みを見つけたのです。
Bの件で相談していた弁護士の先生の紹介で、誹謗中傷に強い藤吉修崇先生に依頼。藤吉先生が書き込みサービスの会社に開示請求を出してIPアドレスと通信会社を特定し、次に通信会社への開示請求で「誰がそのIPを使っていたのか」を特定してくれました。
10年間謎だったAが誰だか、ついにわかったのです。Aは想像もしていない人でした。ほぼ面識がなく、会話したこともあまりなく、15年以上会ってもいない人。動機も理由も不明です。「そんな人いるの?」と思われるでしょう。僕もまったく同じ気持ちです…
インターネットの誹謗中傷で相手を特定する流れ

僕の経験をもとに、相手を特定する流れの概要を解説します(詳しくは必ず弁護士など専門家に確認してください)。
1)書き込みのURLと時刻がわかるものを取得し証拠にする
書き込みのURLと時刻がわかるものを保存しておきましょう。パソコンのブラウザでPDF保存するのが簡単でおすすめです。ここで特に重要なのが「時刻」です。IPアドレスはネット上の住所のようなものですが、時刻によって使っている人が変わる仕組みなので、時刻がわからないと誰が使っていたのか特定できないのです。
2)弁護士さんに相談
証拠が取れたら弁護士さんに相談します。確認すべきは「その書き込みが誹謗中傷にあたるか」「開示請求が可能か」「慰謝料が取れそうか」「費用はどれくらいか」です。
ログの保存期間が約3ヶ月しかないため、慣れていない弁護士さんだと開示に手間取り、期間が過ぎて相手がわからなくなる可能性があります。ネットの誹謗中傷問題に慣れた弁護士さんへの依頼がおすすめです。僕が依頼した藤吉先生は被害者の無料相談を受け付けています(誹謗中傷ドットネット)。
3)サービス会社と、通信会社に開示請求を行う
まずサービス会社(5chやTwitterなど)に、書き込み者のIPアドレスと通信会社(docomoやauなど)の開示請求を行います。裁判所が認めれば、IPアドレスと通信会社が判明。次に通信会社に対して「その時刻にそのIPを使っていた人」の開示請求の裁判をします。これが認められると、書き込んだ相手の住所や氏名がわかります。
相手が特定できたらどうなるのか?

相手が特定できたら、次は交渉です。僕の場合は無事に和解できました。弁護士の先生の判断では、今回の書き込みは刑事事件にもでき、最悪Aの逮捕もありうる内容でしたが、和解での解決を選びました。
最初に書き込みを見つけてから10年。2019年末に書き込みを発見し、2020年5月末にようやく解決——長かった。。誹謗中傷の解決には時間もお金もかかります。開示請求だけで少なくとも2回の裁判が必要です。
もし相手が認めなかったり和解ができない場合はどうなるか?
相手が非を認めない・和解できない場合は民事訴訟になります。さらに悪質な場合は、警察に被害届を出して告訴し、逮捕してもらう方法もあります。ただし問題はさらに長引き、裁判費用もかさみます。仮に勝訴しても、相手にお金がなければ慰謝料はもらえません。被害者にとってはさらに苦しい戦いになります。
誹謗中傷に関するQ&A

藤吉先生に、誹謗中傷に関して質問しました。
Q:どこまでが批判で、どこまでが誹謗中傷なのか?
線引きは難しいですが、「ラーメンがおいしくない」くらいなら批判の範囲。でも「ラーメンに虫が入っていた」などの事実無根の内容は開示できる可能性が高いそうです。また、執拗なプライバシーの侵害(特殊な性癖や生まれ育った場所など)は、事実であってもプライバシー侵害になる可能性があります。度を超えた批判も誹謗中傷になりえて、「くっそブス」という書き込みで開示が認められたケースもあるとのこと。
Q:1回書いただけでも誹謗中傷になるのか?
なります。書き込みの回数と開示できるかどうかは関係がなく、1件ごとに判断されます。「こいつクッソブス」と1回書いただけでも、ある日突然弁護士から通知が来る可能性がある。ネットに広まっている有名人のあだ名を書いただけでも訴えられる可能性があるので、書く側も注意が必要です。
藤吉先生との対談は動画でも公開しています。
誹謗中傷を受けた体験談のまとめ
10年以上前に始まった書き込みは、ようやく解決できました。本当に根が深く、苦しい問題です。「誹謗中傷は無視すればいい」「火のないところに煙は立たない。実際にやっているのだろう」と言われることは日常茶飯事です。でも、まったくの事実無根でも、ネットに書き込みが積み重なるといつしか事実として扱われてしまうケースは多々あります。スマイリーキクチさんは、突然殺人犯にされてしまいました(事件の詳細)。スマイリーキクチさんの本は強烈な体験談が詳しくまとめられており、おすすめです。
とてもつらい体験なので公開するか悩みましたが、僕の体験が少しでも多くの方の役に立てば嬉しいです。困ったら、専門家に相談してください。
