不動産投資の判断基準を、初心者のためにわかりやすくまとめておく

不動産投資の判断基準を、初心者のためにわかりやすくまとめておく

もふもふ不動産のもふです。楽待や健美家などのサイトを見ると、収益物件がたくさん掲載されていますし、業者さんからもメールでどんどん紹介が来ます。一体どれが買ってもよい物件なのか?この物件で利益は出せるのか?失敗しないのか?——僕自身、初心者のときにとても悩みました。

今までの経験上、市場よりも安く良い物件を購入できれば、ほとんどの場合うまくいきます。逆に相場より高く買ってしまうと、売却すらできず取り返しがつかなくなる可能性があります。市場には同じ物件が2つとないので「良い物件とは何か」はとても悩ましいのですが、この記事では不動産投資家の私が考える「購入してもいい物件」の判断基準を、初心者にもわかりやすくまとめました。

購入しても良い不動産投資物件と、その判断基準は?

良い物件の判断基準

良い物件とは、さまざまな物件の状態を考慮して「市場より割安な物件」です。ここで重要なのは「さまざまな状態を考慮する」というところ。世の中に同じ物件は2つとなく、単純比較が難しいし、適正価格もわかりにくい。(だからこそ高すぎる物件も安すぎる物件も出てきて、僕ら投資家には安く買えるチャンスがあるのです。)

同じ物件が2つとない以上、その地域の似たような物件と相対的に比較して判断するのが基本です。比較するポイントは次の5つです。

修繕費用を考慮しても周辺より利回りが高く、積算評価も高く、入居者がついて事業として成り立ち、売却も可能——これがそろえば非常に良い物件です。(将来値上がりする可能性があるかどうかは、私は全く考えていないです)

その投資物件の収益性が高いかの確認方法

利回りとは

収益物件がどれくらいお金を稼ぐかの指標が利回りです。

収益不動産の一番基本となる指標で、不動産投資を始めるなら絶対に覚えなければいけません。市場価格より安い物件は利回りが高くなるので、その地域で普段売られている物件よりも利回りが高い物件は、市場より安い良い物件である可能性が高いのです。

家賃の内訳をチェックする

ただし、利回りが高い物件を見つけても注意が必要です。実際の家賃を高くごまかして利回りを高く見せるのは、よくあるテクニックです。まず不動産業者さんから「レントロール」と呼ばれる家賃一覧表をもらい、必ずチェックしましょう。よくあるゴマカシと確認方法はこちらです。

例えば生活保護の方の家賃補助は自治体ごとに上限が決まっており、名古屋市の単身者なら37,000円まで支払われます。ワンルームの家賃相場が2万円の地域でも、上限の37,000円で貸しているケースがあり、その場合利回りは1.5倍以上も高く見えてしまうので要注意です。

騙されないためには周辺の家賃相場の把握が大切です。調べ方は簡単で、スーモやホームズで検討中の物件と同じような条件で検索すればすぐわかります。スーモ賃貸経営サポートのように周辺の平均家賃相場や設備を表示してくれるサービスも便利です。

ほかにも注意点があります。古い物件では水道メーターが一括のため大家が水道代を徴収しているケースがあり、これを家賃に含めて利回りを上げている場合がありますが、水道代は大家が支払うので利回りに含めてはいけません。太陽光発電の収入を含めるパターンも多いですが、産業用(10kW以上)の固定買取期間は20年で、それ以降の買取価格は未定なので、単純に家賃に入れるのは危険です。

エレベーター付き物件は点検費や電気代の負担が大きい一方、家賃を上げるのは困難なので、避けられる傾向にあります。故障して交換となれば莫大な費用がかかるので、私も避けています。また、家賃滞納者がいる場合は購入後も支払われない可能性が高く、退去してもらうにも費用がかかるので、滞納者がいないことも確認しましょう。

修繕費がどれくらいかかるか?

買った状態ですぐ募集をかけられるなら問題ないのですが、築古物件だと空室のリフォーム費用、外壁塗装や屋上防水、原状回復費用などがたくさんかかる場合があります。地盤沈下や建物の傾き、エレベーターの故障があれば直すのに莫大な費用がかかります。算出は難しいので、詳しい大家さんや不動産屋さんに問い合わせて、ざっとでも見積もっておきましょう。ここを見落とすと購入後に利回りが下がってしまいます。

物件価格に対し、積算価格が高いか

積算価格とは

積算価格とは、その物件をもう一度作った場合にかかる費用のことです。

例えば土地5,000万円+建物5,000万円=積算1億円の新築アパートが6,000万円で売られていたら、かなり安いと言えます。このように積算価格と物件価格を比較して割安か割高かを判定します。不動産投資で絶対に覚えるべきキーワードで、自分で算出できないといけません。

一般的には「物件価格>積算価格」となっている場合が多いです。なので単純に積算より安いかを見るというより、近隣物件の「積算価格と物件価格の乖離」と比較して、検討物件の積算が相対的に高いかどうかを見るのに使います。出し方は人や金融機関によってまちまちなので、自分の中で基準を持っておけばOKです。

土地の価格の出し方

土地は簡単です。相続税路線価を調べて面積を掛け算します。路線価10万円/㎡で100㎡なら、

土地の価格には3種類あってややこしいのですが、関係はだいたいこうなっています。

  • 公示地価…実勢価格に近い(ただし特定の地点しかない)
  • 相続税路線価…公示地価の約80%(市街化区域のほとんどの道路にある)
  • 固定資産税路線価…公示地価の約70%

都会では実勢価格より路線価が安く、田舎では実勢価格より路線価が高くなる傾向があります。専門用語が多くて難しいですが、最初は「とりあえず相続税路線価×土地面積でOK。変な形で建物を建てにくそうなら価値が下がるので注意」くらいで覚えておけばよいと思います。

建物の価格の出し方

こだわりの注文住宅、無垢の木、高級キッチン……いろいろやると建築コストは跳ね上がりますが、不動産の世界ではこだわり設備は建物の価値に反映されません。正確に出すのは不可能なので、次の3つだけで一律に計算します。

例えば延床100㎡・築11年の木造アパートなら、100㎡×12万円/㎡×50%(残り11年/22年)=600万円。耐用年数22年の半分が経過しているので、価値も半減と見るわけです。実際には木造を建てると安くても15万円/㎡くらいかかりますし、22年で朽ち果てるアパートも少ないので、積算評価はかなりシビアな方法だとわかります。

購入を検討する物件は、必ず自分で積算価格を出してみましょう!積算が物件価格の半分以下というのはざらにあります。そういう物件を買い進めると「物件の価値より借金が多い」=債務超過と見られ、2棟目から融資が出なくなる可能性があるので注意です。

めったに出ませんが、土地の値段以下で売られる「土地値物件」はかなりのお宝である場合が多いです。過去、積算価格5,000万円の物件を2,500万円で購入したことがあります。買った瞬間に2,500万円のプラスと銀行から評価されるのです。こういう物件を買っていけば、融資を継続的に受けやすくなります。

入居者がつけられる地域か

収益物件なので、借りる人がいない地域では利益を出せません。私の需要調査の方法はこちらです。

  • その市の人口推移をチェック(Wikipediaで見ることが多いです)
  • LIFULL HOME'Sの「見える賃貸経営」の賃貸需要ヒートマップで調査
  • その地域の賃貸物件をスーモなどで調査し、空室がどれくらいあるか確認
  • その地域の不動産屋さんに電話して需要をヒアリング

どれか一つでNGというわけではありません。経営者として、その地域で収益不動産を経営できると判断できるかどうかがポイントです。人口が減り続けている地域でも、超激安な物件で満室が続いているなら余裕で経営可能でしょう。空室が多くても、周りの物件がちゃんと埋まっているなら、リフォームして募集をかければ埋まるかもしれません。

一方で私が避けているのは、大学や大きな工場に頼っている地域です。大学や工場の周りにはアパートが乱立しやすく、大学の移転・工場の縮小・不景気の派遣切りで需給バランスが壊滅します。需給バランスが崩れると、経営者としては打つ手がなくなります。実際、大分県のある地域では家賃1,000円のアパートが出ていました(原状回復費を考えたら貸さない方がましなレベル)。神奈川でも大学移転で学生向けワンルームの需要が崩壊し、売り物件が大量に出ている地域があります。よく売り物件を見る地域は要注意です(それだけ売りたい人が多いということですよね)。

事業として成り立つか

これは人によって判断が違う難しいところですが、私の基準はこちらです。

  • 融資期間中、家賃で返済していけるか
  • 家賃下落や空室が発生しても耐えきれるか
  • 雨漏りやシロアリなどの問題が発生しても対応できる資金があるか
  • 購入価格以下でも、いつでも売却可能か

例えば新築・利回り8%の木造アパートを30年融資で買った場合、家賃が下落し、空室率が上がり、修繕費がかかり続ける状況で30年間戦うのは厳しいと思っています。アパート建築業者並みのコストで市場より安く建てられるのでない限り、自分のスキルでは経営できないと考え、新築アパートは見送っています(買おうと思えばいくつでも買えるのですが…)。経営者各自のスタイルで事業判断し、精神的にも経済的にも無理なく経営できる方法を探すことが大切です。

いつでも売却可能か(出口はあるか)

いつでも売却できれば、何かあったときに手放せるのでリスクを下げられます。私が見ているポイントは次の3つです。

  • 購入したいと思う人(投資家・実需・企業)がいる地域か
  • 物件価格が高すぎないか(1億円を超えると買える投資家が減る)
  • 融資がつくか

北海道の山奥のアパートだと買いたい人は少ないでしょう。そういう地域で買うなら、最後まで持ち切る覚悟が必要です。

そして一番大切なのが融資です。融資が付かないと物件を購入できる人が激減するからです。銀行が融資をしなくなると物件価格が下がるのは、不動産投資家の常識です。海が近いと津波を警戒して融資しない銀行、ピロティ構造はNG、旧耐震はNG、耐用年数超えはNG……銀行にはいろいろな基準があります。あるレベル以上の投資家は、売却時に「買う人がどこの銀行で融資を受けるか」まで必ず検討しています。購入前に「この物件はどの銀行で融資が付きそうか」を想定しておくことが、出口を考えるうえで最重要です。

まとめ~良い物件とは

不動産は同じ物件が2つとないので見分けるのは難しいのですが、同じ土俵で比較することで相対的に良し悪しを判断できます。これを読んでくださったあなたが、相場より安い良い物件を見つけてうまく賃貸経営できることを願っています。

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