不動産投資をする際に気になるのが、大家として借主から家賃をちゃんと払い続けてもらえるかという問題です。仮に物件が満室だとしても、家賃滞納者がいると一定期間家賃収入が減ってしまいます。
空室問題は賃料や初期費用の調整でうまくいくことも多く、入居者さえ見つかれば早期解決できるのに対し、家賃の滞納問題は長期化するリスクもあり、多くの大家を悩ませている問題です。滞納が発生すると催促をはじめとしたやり取りが発生し、貸主側の負担も大きく増えてしまいます。今回は、万が一家賃滞納が発生した場合に大家としてどう対処できるかを解説します。
家賃滞納問題は事前の予防が一番の鍵

入居者の家賃滞納問題は、契約する前に少し気をつけるだけで防げることも多いです。どういう点に気をつければいいのかを解説します。
家賃の集金方法を銀行口座の自動引き落としにする
家賃を滞納してしまう方の中には、日々の忙しい生活の中で振り込みを忘れてしまうだけの方も存在します。お金がなくて滞納する人ではないため大きな問題にはならないものの、滞納が生じるたびに催促するのは大変です。このような悪質でない滞納を防ぐには、家賃の集金方法を銀行口座の自動引き落としにするのが解決策です。事前に契約内容に盛り込むことで、無駄な滞納を無くせます。
入居者の審査時に項目ごとに精査し、家賃滞納予備軍の入居を避ける
賃貸借契約を結ぶ際の審査で申込書の内容をよく確認することで、滞納しそうな人の入居を避けることができます。具体的なチェックポイントはこちらです。
- 家賃が月収の1/3以内に収まっているか
- 勤続年数は一定期間あるか
- 安定した収入を今後も得られると想定できるか
- 前回の入居期間はどれぐらいか
- 連帯保証人が親族でない場合、その理由
収入の多くが賃料の支払いに使われる場合、ちょっとした生活の変化や浪費で滞納が生じやすく、リスクが高いです。一般的には家賃が月収の1/3以内なら家計として問題のない範囲と言われています。勤続年数が短い場合は、短期離職で収入がストップして滞納や解約になるリスクが考えられますし、前回の入居期間が短い場合はトラブルの可能性も考えられます。逆にこれらをクリアした人なら、きちんと家賃を支払える可能性が非常に高くなります。
入居者の権利は居住権として強く保障されているため、実際に入居してからは簡単に立ち退き請求できません。だからこそ審査段階でしっかり見極めましょう。もちろん神経質にやり出すときりがないので、仲介してくれる不動産会社に過去の経験をもとにアドバイスをもらい、現実的に判断していくのが望ましいです。入居審査は数をこなすことで、独自に選別する力が身に着きます。
連帯保証人として家賃保証会社を立てるのがおすすめ
入居審査を厳しくしても100%滞納を防げるとは言い切れません。そこでおすすめなのが家賃保証会社です。入居者が滞納した場合に、代わりに賃料を支払ってくれる会社です。滞納家賃の保証だけでなく、訴訟を起こすような場合も保証会社の費用で弁護士を選任してもらえるため、リスク回避として最適な方法の一つです。
入居者は保証会社に一定額の保証料を支払うので、嫌がる人もいます。しかし滞納リスクを考えると、大家にとっては保証会社を立てるメリットのほうが大きいと言えます。
家賃滞納が実際に発生した後の対処方法

実際に滞納が発生した後に何を行えばよいか、順を追って説明します。
1.本人や連帯保証人への督促状の送付
まず本人や連帯保証人へ督促状を送付し、貸主側が滞納に問題意識を持っていることを知らせます。それでも入金がない場合は「内容証明郵便」で再度督促します。内容証明郵便を使うことで、滞納の通知に関する客観的な根拠にできます。催告書を受け取らない、または受け取っても支払わない場合は、最終的に賃貸借契約の解除となります。
2. 調停手続きによる家賃滞納の解決
法的手続きの中で最初に取るべき手段が調停手続きです。裁判所で調停委員のあっせんにより、民事上の紛争を話し合いで解決する手続きで、簡易裁判所の窓口で相談できます。当事者間の示談では主張が平行線で終わることも多いですが、調停なら裁判所が選任した調停委員を交えて客観的に話し合えます。
訴訟のような厳格な手続きが不要なため、当事者間での解決の余地がある場合は比較的取りやすい方法です。例えば「再び滞納した場合は強制退去とする」といった取り決めを行うケースがあります。合意した場合は公正証書という証明力のある文書で取り決めを確定させます。しかし相手は滞納をするような方なので、合意を破られるケースもあります。その場合は訴訟に進むことになります。
3. 物件の明け渡しを求め訴訟を起こす
調停で解決しない場合や相手が話し合いに応じない場合は、物件の明け渡しを求めて訴訟を起こします。契約が終了しているのに退去しない場合、裁判で強制的に決着をつける必要があるからです。滞納問題は基本的に滞納者に非があるので勝訴する可能性が高いですが、調停と異なり訴訟費用が高額で、その後の家賃回収もスムーズにいかないなど、完全解決までに時間がかかることも多いようです。
家賃滞納問題と対処法のまとめ

家賃滞納問題は、審査時からの入念なチェックと保証会社の活用で事前に予防できます。事前に打ち手を考えておけば、問題が発生したときにもスムーズに解決に向けた行動をとることができるのです。
